50年前、炭酸飲料といえば三ツ矢サイダー、リボンシトロン、キリンレモンの3種が有名であり、その中で私は三ツ矢サイダーが好きであった。
アサヒビールがアルコールを飲まない人に向けて製造したのだろうが、少し黄色みがあり、そこに何だかは分からないが秘密の旨みが込められているようで、なんとも言えぬ味わいであった。他の2種類の飲料は全くの透明で同様に癖のないスッキリした味わいであったが、あの秘密の黄色のエキスに惹かれるものがあった。その後色々の変遷があり、多種類の炭酸飲料が自動販売機に並ぶようになり選ぶのに苦労することもある。三ツ矢サイダーも現在はこの黄色みが無くなっているのには少し残念な気分があるが相変わらずアルコールを飲まない私は色々な炭酸飲料を迷いながら飲んでいた。
ごく最近サントリーから新しい炭酸飲料が発売された。天然水サイダーである。一口飲んだ時にこれはこれまでにない優れた炭酸飲料であるとびっくりした。私が初めて三ツ矢サイダーを飲んだ時と同じような感激があった。
天然の炭酸水ではないがミネラルウォーターに炭酸ガスを溶かし込んだものであり、調節された炭酸の量が大変に良い。
どのような飲料でも飲んだ時の味は舌だけで味わうものではなく、口の中の粘膜全体で感じるべきものである。この天然サイダーの柔らかい小さな炭酸ガスの粒が口全体の粘膜を撫でるように流れてゆく。そして喉にから食道に入った時の軽く食道を擦ってゆく感じは、胸の前で奥にある食道の存在を感じさせるのである。この時の爽快感こそがこの飲料の素晴らしさである。そしていつまでも胃の中に残っている感じがない。たとえ一度に一本飲み干しても胃の中に溜まっている感じがないは吸収が早いのではないかと感じる。
この飲料の一番の評価の要素は飲み干した時のすっきりとした後味である。コカコーラとペプシコーラは何年もライバル関係で色々な改良が行われて来ているのだろうが、後味では断然コカコーラが優れており、ペプシコーラは追いつけないほど後味は大切な要素なのです。
この飲料のメーカーの宣伝のページを読むと、この飲料がなぜヒットしたかについて、瓶の図柄が良かった、色が良かった、文字が良かったなどと書かれているが肝心の飲料としての優れたところの開発の苦労などは管理職には知らないのだろうか。
この商品はコンビニなどでは販売せず、ごく一部の自動販売機でのみの販売としているのはどのような戦略であるのだろうか。